さて、「風の大陸」のストーリーについて、語ってみたいと思います。
本編28冊、大幅に端折ったり、間違えているところもあるかもしれませんが、取り合えず突っ込みを。
非常に大雑把なストーリーに対するツッコミです。
ファンの方ごめんなさい。辛口です。
序章 / アドリエ編 / 太陽帝国編 / ローダビア編
▼序章 …砂漠をウロウロ。水を目指してフーラフラ。砂漠はとてつもなく広かった。
最初にメイン3人の出逢い編がありまして、砂漠のど真ん中、ラクシの焚き火をティーエが無理やり?に借りたのが、そもそものはじまりです。
他人の楽器を借りて弾いたりと、かなり好き放題にしているティーエ。イイ根性をしているのか、それとも未来を予知したのか(笑)。
初対面の人間に対して、妙に馴れ馴れしい気がするのは気のせいでしょうか…?
その後、色々あって、ティーエとラクシは暗殺者に殺されかけていたボイスを拾います(ペットのような表現・笑)。
命を助けたため、「命の借りは命で返す」という、任侠道も真っ青な(笑)自由戦士の掟により、ボイスはティーエについて行く事に。
そういえばティーエは人外…もとい半神族ケントウリ族の掟破りのケイローンに育てられた、表の顔薬師・裏の顔魔術師なのでした。
水を求めて砂漠をうろつく。故にその街の厄介事に、お約束のように巻き込まれる3人。
無意味に強力な魔術をぶっ放したり、人をあっけなく殺してしまったりとか、「他人を殺すのは良くないことです」と言っている割には…。
ティーエによる被害の方が、遥かに性質が悪いような気も…被害が大きいのも問題です。
他人(戦士系ふたり、ボイスとラクシ)に注意する前に、まず自分の行いを振り返りましょう。ティーエさん。
まだこの頃は、ティーエは泣いたり怒ったりはしませんが、たまに笑っています。
が、後で書かれた外伝「月光にさまようもの」では、怒って魔術をぶっ放すティーエの姿が。矛盾が…。
そしてこの序章の最大の突っ込みドコロは、「ラクシの(ふっくらとした)頬を突っつきたい衝動と必死に闘うボイスの姿」でしょうか。
それはどう見てもロリコン…ボイスよ、君には色気たっぷりの恋人が居ただろうが…そりゃあ、長らくオンナ日照り状態かもしれんが…(苦笑)。
後でバレたら、シバキ倒される事必至でしょう。
▼アドリエ編 …泣く喚く、暴れ散らす。人が増えれば災いのもと。ティーエが少々進化します。
元イタール公国・現アドリエ王国の砂漠の玄関口の都市である、ト・アデル市から話は始まります。
これが本編の始まりでもあります。
ト・アデルでは色々と、重要人物が登場しまして、魂の双児イルアデル(アドリエ王)、魔術師グラウルが登場します。
そして、ラクシの(というよりもイタール公国の)臣下たちも登場。再びイタールを独立させようとする動きに、ティーエたち御一行はしっかり巻き込まれます。
この都市で、ティーエは初めて怒りの感情を覚え、城壁粉砕という大技を披露。そのため殻に閉じこもるという、傍迷惑展開へ。
ヴァユラの村でジッダという少年に出会い、この子が大怪我を負い、その治療のために殻から出て来るティーエ。外界からの刺激が必要なようです。
他人から受けた親切は無駄にしないようにしましょう。そして、篭るのは非常に簡単ですが、かなり迷惑を撒き散らすティーエ。
「世界の相」とは、歩く災厄と同義のように思えるほど、この時のティーエは困ったちゃんなのです。
また、廃墟となった故郷デン共和国跡地で、祖父の霊に導かれ、重要アイテム「共和国連合憲章」を入手。ティーエは「永遠」と言っていましたが…?
その後、この超重要アイテムは忘れ去られる運命に(笑)。勿体無い。
アドリエ市では色々とすったもんだ。
ラクシの身分が割れたり(イルアデルの名目上の婚約者)、イルアデルの異母妹であり愛人でもある、マレシアーナ姫の登場もあります。
そして、ボイスの恋人マンレイドと、ちょっと微妙な関係の友人バリカイの登場も。
マレシアーナの策略(というより父母の復讐)により、愛憎を乗り越えて手を取り合ったティーエとイルアデルは、あっけなく引き裂かれてしまいます。
重要人物なのに、イルアデルは呆気なくお亡くなりに…微妙に扱いの雑な、魂の双児さまでした(涙)。
その後、アドリエの女王としてマレシアーナが即位し、実はイルアデル・マレシアーナの異母兄でもあった魔術師グラウルも、アドリエも見限ってしまいます。
このグラウル(アデルカフィン)は、結構なブラコンのように見えますが…本人はイルアデルに対する贖罪だと言ってますが、どう見てもブラコンかと。
贖罪にしては、イルアデルに構い過ぎ・愛情を注ぎ過ぎです(苦笑)。ちょっと婦女子好み発言あり。(「わたしのイルアデルのな…」)誤解されますよ。
▼太陽帝国編 …政治劇に巻き込まれ、何処へ漂う「世界の相」。アヤシイ相手には迂闊に近付いてはいけません。
大陸最大の帝国、太陽帝国の首都アステカイデ市からスタート。溺れた仔犬を助けたご縁で、第六侯カリスウェンとお知り合いに。ベタです。
そして、大半の読者が読むのを途中放棄したであろう、微妙なる四角関係のはじまりもあります。
ティーエとラクシ、そしてカリスウェンとその従妹である巫女王レイトリン。当て馬さまの登場により、関係はもつれて収拾が付き難くなります。
勘の良い方なら、カリスウェンとレイトリンは、最初から当て馬にしか見えなかったでしょうね。
アドリエ出発の際に、ティーエはラクシにそれとなく好意を伝えていますので。
ただ、このヘンテコリン恋愛劇で、ティーエとラクシは初めて「異性を意識する」という事を学習します。異常に晩熟なふたり。あり得ない(笑)。
大神官就任を請われるティーエですが、もしあのまま就任していたら…ティーエの長髪は間違いなくスキンヘッドに。
レイトリンを呆気なく振って、処刑されかけたカリスウェンは大祭司になり、当て馬さま同士でまとまってしまったのでした。ご都合的展開です(苦笑)。
長い割りには内容は薄いです。そして、この国に滞在中に、共和国連合憲章の話題もちらりと出て来ますが、カリスウェンの処刑騒ぎでお流れに。
以降、この「永遠の宝」については一切触れず。これまた雑なお宝でした(苦笑)。
この太陽帝国編で、カルト宗教も真っ青なソグドム教が登場。そして、生贄(ヘルルダル)である、ドラスウェルクも登場します。
それにしてもティーエは、追い詰められないと何かを仕出かさないような…締め切り間際の作家か、君は。
▼ローダビア編 …既に崩壊の足音が聞こえる。刺したり刺されたりサバイバル。でも一気に完結に持って行く、ビバ強引。
怪しいおっちゃんに拉致されたドラちゃんを追ってローダビアへ。このローダビアでは、既に大陸の崩壊の危機は始まっていました。
相次ぐ天変地異。挙句の果てに火山噴火まで。フルコースです。というより、やり過ぎです(苦笑)。
そしてここでもまた、王位継承?やら教団の実験争いやらの「お家騒動」に巻き込まれる御一行。もう巻き込まれるのが運命なのでしょう。
「世界の相」とは騒動に巻き込まれる人間を指すのか…その割には、ティーエは自ら渦の中に飛び込んで行っているような気も。
同行者の事も考えましょうね。
アステカイデの太陽神殿に封印されていた、ケントウリ族の宝であり動力源である「水晶」のせいで、大陸が危機を迎えている事が発覚。
宇宙人はろくな事をしなかったようです。
自分達の星が滅んだので、その生き残りが地球にやって来て、文明の兆しが見えた大陸の人々に智恵を与えたのだとか。
異星人たちに反論しつつも、人々に祈りというアバウトパワーにより、その場しのぎが出来たので、取り合えず大陸は生き長らえました。
しかしあくまでその場しのぎ。後に、大陸は滅ぶ運命になります。ただ、ティーエが「世界」である時代に起こらなかっただけで。
ティーエの存在が「月女神に捧げられた者」→「太陽神の化身」→「大地と繋がるもの」に変化します。
本当のところはどうなんでしょう。どうでも良いんでしょうか…(苦笑)。
そしてお役目を終えたティーエは、どうやらラクシの故郷、イタールの隠れ里へと行くつもりのようです。つまりは入り婿…?
ボイスはマンレイドに子供が出来たため、復讐を捨てたようですが…この人々も、イタールに行くつもりのようです。
本当の闘いはこれからなのでは…?普通に生きる事は、実は結構難しいのです。
▼総括 …最終ツッコミ
結構ティーエって、純真無垢に見えて、したたかモノですね。
王族を利用する事も考えていますし(効率が良いからでしょうが…)。その割には逆に利用されるのは御愛嬌。
そして、生命力溢れるラクシは、結局ティーエの心の支え、という存在だけになってしまったのがどうにも惜しい。
ティーエとラクシ、ある愛の軌跡…のように見えなくも無い、この大河ロマン。