<「新・風の大陸」に寄せて> 〜 展開予想図 〜




さてかなりお久し振りのコラムもどきです。今回のお題は「新・風の大陸」(ハルキ文庫刊・2010年10月15日発売予定)について。
この記事については書く時期が限られてますので、今のうちに書いておこうと思います。


最初「風の大陸」の新作が出るらしい、という事は、他人から聞いて更にネットで知ったのですが、当の出版元の発売予定の項に書名が無かったものですから、 もしかするとデマ?と疑ったのですが(当初の発売予定は2010年9月15日だったようです)、月が変わってから公式HPで確かめますと、確かに刊行リストに「新・風の大陸」の書名が掲載されていました。
諸々の都合で遅れただけだったようですね。

さて、その内容についてなのですが…。
今の時点で私自身が気になっているのは、まず一つ目に、旧作(富士見ファンタジア文庫刊「風の大陸」本編)との関連がどの程度あるのか、という点です。
旧作の最終巻「祈り」の後書きにて、竹河聖先生は「ご希望があれば…」という旨の文章を書いてらっしゃいましたが、その最終巻の発行から早4年が経過しようとしています。 もし仮にティーエ達のその後を描くのだとするならば、4年も間を置いた状態で、続きといえるような作品が仕上がってくるのだろうか?という不安点があります。 これは竹河先生の力量云々の問題ではなく、作家の方のお書きになる文章というものは、年月と共に少しずつ変化するものである事が多いため、終了直後であれば単なる杞憂でもあったでしょうが、 何せ4年も経っていますので、あの本編の空気を保ったままティーエ達の物語が進められるのだろうか、と疑念を抱いてしまう訳です。


他の作品で「新・○○」とついた本も存在しますが、大抵は主人公を一新させ(旧作主人公が脇役として登場している例もあり)ている例がほとんどです。
私個人の希望としては、「新・風の大陸」で読みたいのは、本当に大陸が滅亡の時を迎える時代の話です。ティーエ達の時代は結局、大陸の滅亡を先延ばしにしてしまいましたので、 最終的に「世界の相」というものの重要性が、残念ながら今ひとつうやむやになってしまった感があります。
その次の時代の、再び「世界の相」を持つ者が現れる時代…つまり、本編から更に時代が経過した未来、大陸が滅亡の時を迎えた時の「世界の相」を持つ者を主人公とした話を、是非読んでみたいと思うのです。

「風の大陸」の世界観は、非常に緻密に作り上げられていますので、あの大陸が本当に滅亡を迎えた時、大陸に存在する国々や、それを治める者達、そして市井の者達は一体どうするのか、 どうなるのか。そこに興味を惹かれます。
「新・風の大陸」と仕切り直しをするのだったら、過去の時代の話ではなく、滅亡の時代の話が読みたい。ティーエ達が先延ばしにしてしまった問題に直面する人々の姿を読んでみたい。そう思ってしまうのは、個人的な我儘であることは重々承知していますが、 それでも期待してみたいと思ってしまうのです。
反対に、ティーエ達のその後を描くのであれば、何故もっと早くお書きにならなかったのか?と疑問に思いつつも本を手に取ることになってしまいそうで(楽しみではありますが)、 新作に触れる緊張感は随分と減ってしまうと思うのです。
ティーエ達のその後を描くのであれば、出来れば決定版を出す時点である程度纏めて欲しかった、と私自身としては思っています。


今の時点で詳細が出ていないので、これはあくまで個人の勝手な予想に過ぎません。けれども、風の大陸という名を冠している新作が出版決定している以上、やはり期待してしまうのが、 本編を長く追い続けて来たいち読者の心境といったところでしょうか。随分と勝手ではあるのですが。

期待と不安を交えつつ、無事に「新・風の大陸」が発行されます事を願っております。
纏まりの無い文章にお付き合い頂きありがとうございました。

(2010年09月06日)




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